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ルタバガと根セロリ(Steckrübe & Sellerieknolle)

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ルタバガ(左)とセロリ根(右)
ルタバガ(左)、セロリ根(右)

 

ルタバガとセロリ根
マグカップとのサイズ比

赤ちゃんの頭ほどあるのではないかと思える大きな野菜!

名前はルタガバ(左)と根セロリ(右)といいます。

先日、試しに食べてみようと二つ同時に買ってきました!

ドイツ語でルタガバはSteckrübe(シュテックルーベ)、根セロリはSellerieknolle(ゼレリークノーレ)といいます。

ルタガバは一月中旬頃が旬だったのかスーパーでもよく見かけるようになり、お買い物カートに6、7個入れているおじさんも見かけたりなんてして(そんなに沢山のルタガバを何に使うのかは謎です。給食を作るおじさん??)どんな味なんだろうといつも不思議に思っていたんですよね!

調べてみると、ルタガバはスウェーデンカブとの別名をもつようです。アブラナ科の2年草で、日本でも出荷量は少ないようですが北海道の農家で作られていたりするらしいです。

 

まるごとルタガバ
まるごとルタガバ

 

セロリ根全体図
セロリ根全体図

17世紀にスウェーデンで自生していたものが元とみられ、北ヨーロッパの国々やロシアで盛んに栽培されたそう。

絵本「おおきなかぶ」のモデルになったのも、もしかしたらルタガバだったのでは?と思いました。

ドイツでは、第一次世界大戦下の1916〜1917年にかけて発生した飢饉で、それまで飼料用として栽培されていたルタガバが飢饉で人を救ったことから、その冬は「カブラの冬(Steckrübenwinter)」とも呼ばれているそうです。
(ここの”カブラ”はルタガバのことです!)

東京大学講師をされている藤原 辰史さんという方が書かれた「カブラの冬 – 第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆」という本によると、女性と子どもを中心に76万人の餓死者を生んだこの飢饉から、二度と飢えたくないという民衆の願いが、やがてナチスの社会政策や農業政策にも巧みに取り込まれて行き、ナチズムが生まれたことに関係しているとされています。

野菜一つとって調べてみても、歴史とつながっていてびっくりしました。

一方、根セロリは飢饉を救ったとの情報はないのですが、ドイツで野菜ベースの出汁というと根セロリは重要な野菜として必ず入っており、ドイツでは一年中見かけるかなり馴染みがある食材と言えそうです。セリ科です。

 

切った根セロリ
切った根セロリ

 

ちなみに、ドイツでは少量のにんじん、チューニップ、セロリ根、リークネギ、パセリをまとめて「ダシ用野菜セット(Suppengrün)」として売られているんですよ〜!
なんか、野菜版花束みたいでとても可愛いと思いませんか?
スープ用野菜セット(Suppengrün)
スープ用野菜セット(Suppengrün)

スープの出汁をとる少しずつ切った野菜を、大雑把に紐でギュッとまとめて市場などでも売られていて、市場のものの方がより花束っぽくなりますね。

これを花束として恋人にあげる超合理的なドイツ人がいるかもな、と勝手にイメージして、また一人でくすっと笑ってしまうわたしです。ロマンティックさより、のちに使えるかを重視するドイツ人ならあり得る??笑
セロリ根は、セロリアックとも呼ばれ原産地を地中海盆地とし、普段私たちが食べているセロリの一変種なんだそうです。普通のセロリとは違い、丸い部分の根茎だけを食用にします。

セロリ根の頭のところのポツポツを見ていると、アニメ「悪魔君」に出てくる家獣バウー(←見かけは覚えているけど名前がわからなかったので検索しました)の緑バージョンがいるかのように見えてしまいます・・・。

マニアックすぎて少しもわからなかった方、申し訳ございません。笑

そのまま生でも食べられますが、私たちは酢漬けや衣をつけて根セロリシュニッツェル(ドイツの薄めのカツです)にしていただきました。

 

根セロリのピクルス
根セロリのピクルス。マスタードシードも入れました。

根セロリシュニッツェルはお肉のカツではないのですが、お腹もちゃんといっぱいになるし、カツとしても、全体の風味のバランスもよくてとても満足できる味でした。それからは何度もリピートしています。

酢漬けもシュニッツェルも、ほのかにセロリの香りがしてとても美味しかった!

匂いが強い野菜が好きな方ははまるかも。

 

根セロリのシュニッツェル
根セロリのシュニッツェル(シュニッツェルは、日本でいうカツのようなものでドイツの代表的な食べ物です。ちょっと焦げちゃいましたが・・・。汗)

 

ルタガバはというと、4分の1ほど角切りにして炒めたひき肉を混ぜた透明なスープとして頂き(ルタガバは結構固く透明スープでは結構な存在感なので、次回は少し小さめに切ったほうがよさそうです)その残りは後日炒めた玉ねぎと合わせてミキサーにかけてチーズを加えたクリームスープにしました。

ルタガバのチーズクリームスープ
ルタガバのチーズクリームスープ

ルタガバ料理も悪くはありませんでしたが、私の中ではやはり根セロリの方に軍配が上がった感じがしました。

そんなこんなで、まるまるシリーズの2つを美味しく食べることができました。

今後もドイツでいろんな野菜を試してみたいと思います。

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