ドイツのスーパーでは、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、スグリなどなど、ベリー系がかなり充実していますし、マンゴーやパッションフルーツなどのトロピカルな果物も所狭しに並べられています。
しかし、ドイツ人にとって、気候からかドイツ人にとって、りんごやアプリコットはかなり身近で、絶対外せない果物なんじゃないかなと思います。ヨーグルトやチョコレートのフレーバーとしてもいつもあるイメージです。
アプリコットの季節になると、スーパーなどでもそのまま生食用として売られていますし、少し硬めだったり小さめの加工用のものも出回ります。
アプリコットが出始める時期は、私にとっては梅干しを仕込む時期なのでとてもワクワクします〜!
ちなみに、わたしは梅干し作り用に、ドイツのニシン料理に使われるHeringstopfと呼ばれる専用の入れ物を使っています。これが、梅干しを作るのにサイズもちょうど良くて◎
それだけではなく、魚の模様がついていたり、ドイツによくある青色の模様がとても可愛い。この容器を使うたびに嬉しくなります。
簡単ですが、ざっと作り方を説明します。
- 硬めのアプリコットを選び、よく洗って竹串でヘタをとりしっかり水気を拭きとる。熟しすぎたものは途中で潰れてしまったり繊維質だったりするのでNG。硬くて生で食べたら美味しくないぐらいが丁度いい。
- ドッペルコーンと呼ばれる38度のアルコールを適量入れ、容器を傾けたり回しながら消毒する。
- 水気を拭き取ったアプリコットを入れ、ドッペルコーンをアプリコットにふりかけ消毒する。(←アプリコット全体に行き渡るようにしっかり消毒しますが、あまりドッペルコーンが多くならないようにする。)
- 13〜15%の塩(Meersalz)と1.5パーセントのクエン酸をあらかじめ混ぜておいたものをできるだけ満遍なく上からかける。(ここの塩加減は、日本の粗塩だと多めにしなければいけないし、ドイツの塩だと12〜13%でちょうど良く感じます。塩だけじゃなくて、梅と違って酸っぱ味がないのでクエン酸を加えますが、ここのバランスも大切。出来上がってから置いておくとまた塩味や味の深さも変わるので、ここは本当に何度か試しに作ってみて感覚を得るしかないです。)
- 大きめのアプリコット7つぐらいに大体1キロの重しをする。
- 2日ほどすると、アプリコットから水が出てくるのでこの液体を全体に回して、アプリコットにカビが生えないようにします。毎日水が増えていきますので、アプリコットがきちんと浸っているか時々チェック。
- このまま1週間ほどおいてから清潔な箸で取り出し、日が出ている日を選んでお日様に当てて干す。(乾燥させるだけではなく、しっかりお日様に当てると栄養価も高くなるらしいのでしっかり当てる。)これを夜露にも当てて三日三晩続けます。雨が降りそうな時はお休みし、消毒した瓶の中などに取っておく。
- 出てきた液体(あんず酢)は、紅生姜やニンニクの醤油漬けなどに利用できるので、消毒した瓶に大切にとっておく。(←あんず酢は使い道が沢山あるので、日本のものが手に入りにくいドイツではとても貴重です!)
- 三日三晩乾かしたアプリコットは、消毒した瓶に詰め保存。すぐにでも食べられるが、お勧めは冷蔵庫で保管し少し熟成させて2週間後ぐらいから。常温でも保存もでき、常温だと1ヶ月ほどすると味や香りもまた違ってきて、溶けてくるような感じになる。塩味が強い場合は常温で寝かせた方がまろやかで食べやすくなる。もし歯ごたえを残したい場合は、冷蔵庫で保管する。
わたしの故郷には、八助梅というあんずがあり、これで梅干しを作ります。地元では、八助があんずだと知らない人も多いでは・・・。今、私がドイツでアプリコットで梅干しを作ることになったのも偶然だなと思いますし、あんずの梅干しに抵抗がないのも、もしかしたら八助梅を食べてきたからなのかもしれないなと思う今日この頃です。
ドイツにいる限り、この梅干しもどき作りは毎年ずーっと続けていきたいと思っています!
アプリコットちゃん、存在してくれていてありがとう!!これで大好きな梅干しが沢山食べられます!