ミラベル(Mirabelle)というプラムの名前を耳にされたことはありますか?
わたしも日本にいた頃は知らなかったのですが、ドイツやフランスでは結構馴染みのある小さなプラムです。(以前、ドイツの食品保存方法についてお話しした際、ミラベルのシロップ漬けがスーパーに売られていることをご紹介しました。)
この黄色のプラム、サイズはプルーンの半分ぐらいで2センチほど。スーパーなどでも購入することができます。スーパーのものは、フランスから輸入されたものが多くとっても甘いです。
しかし、スーパーで買わずともベルリンではミラベルは本当にそこら辺に自生しているので、8月半ばを過ぎると黄色の実をたわわに実らせたミラベルの木に出くわすこともしばしば。わたしは、毎年ミラベルの木が実をつけるのをとても楽しみにしていて、その時期になるといつもビニール袋を持って出かけます。
野生のミラベルは、おそらくなのですがその学名をPrunus domestica syriacaといい(スーパーで売られている甘いミラベルとは味が明らかに違うのに、その学名がまだわからないので非常に気になります・・・。今後気をつけて見ていきたいと思います!)サイズは大体1.5cmから2cmぐらい。市販のものに比べたら小さめで皮も酸っぱいので、そのままで食べるよりは加工用にちょうどいい感じです。
わたしはそのまま食べたい時はスーパーで、コンポートやジャムとして食べたいときは野生のもので両方のミラベルの食感や味を楽しんでいます。リキュールにする場合は、野生のものが酸味が強いからか、市販のものより断然美味しく出来上がります。
春にミラベルは、アーモンドの花に似た、いかにもバラ科!といった小さなピンクがかった花を沢山つけて春の訪れを知らせるので、春のうちに「あ、今年はここにミラベルを取りにに来たらいいかな」と何となく目をつけておきます。
しかし、ミラベル以外にも、ドイツではリンゴ、桃、梨、さくらんぼ、プラム、スピノサスモモ(Schulehe、学名Prunus spinosa) 、ミラベル、キルシェプラム、時々ソメイヨシノなどが混在して自生していたり、庭に植えられているので、花だけで判断するのは結構難しいのです。考えてみたら、ドイツのバラ科の植物の比率高めだと思います。青森がりんごの産地になっているということもありますし、バラ科って全体的に寒さに強いんでしょうかね〜。
春のうちに、その木の花や幹や棘のあるなしなどで「これはなんだろな?」と予想を立てておいて、夏から秋にかけて実ができた時に、そのクイズの答えを知るという感じです。これ、当たると地味に嬉しいしとても楽しいんですよね。←完全にオタクですね。汗
ちなみに、スピノサスモモの学名にあるspinosaは、ラテン語でトゲの多いという意味でした。「スピノサ」ってワードが、なんか恐竜っぽいなと調べてみたら、背中にトゲがある「スピノサウルス」という恐竜、ちゃんといました〜!!!感動。スピノサスモモは、イギリスのスロージンというリキュールの原料としても知られています。これは、生では食べられませんが、リキュールにするとまたミラベルとは違った味の美味しいお酒ができます。
ミラベルに似ている小さな赤いプラム、サクランボプラム(Kirschflaume、学名Prunus cerasifera)も野生ミラベルと同じ頃実をつけます。野生ミラベルより大きめです。木により生食でも甘いものもあれば、酸っぱいものも。
これも、状況に合わせてジャムやコンポートにします。
また、ドイツでは梅が手に入らないので専らアプリコットで梅干しを作っているのですが、ミラベルの実でも梅干しもどきが出来ました。
ミラベルは梅と違って皮がツルツルで厚めなので、出来上がってからすぐに食べると「うーん、ちょっと梅干しとしては一味違うなあ・・・。」と思うのですが、2ヶ月間ほど常温で寝かせたら皮がとても柔らかくなって梅干しっぽくなり、食べやすくなりました!
今年写真を撮り忘れてしまったので、来年こそはしっかり写真も撮って沢山ミラベルの梅干しを沢山作ろうと思います!