4月に入り、ルバーブの季節になりました。
ルバーブは「蓼食う虫も好きずき」の諺でも知られるタデ科の植物の一つです。
この季節になると、ドイツのスーパーや市場でもよく見かけるようになります。
ルバーブの葉が、漢方で使われる大黄(だいおう)と似ている気がして調べてみたらやはりダイオウ属でした!こういうの当たると地味〜に嬉しいんですよねえ。
ルバーブをそのまま生でかじるととても酸っぱくて、幼い頃に学校の帰り道に生でかじっていたイタドリという植物を思い出しました。
そして、調べてみると、やはりイタドリもタデ科の植物でした!!
またこれも地味に嬉しいです。
続けて少しイタドリについて調べてみると、高知などでは山菜として油炒めや煮物に使われると書いてありました。食べたことないけれど、こんにゃくなどと油炒めしたら本当に美味しそうです。
さてさて、ルバーブに話は戻りまして、わたしとルバーブとの初めての出会いは16歳の時。
留学していたアメリカミネソタ州のホストファミリーのママは、時々庭で自生していたルバーブを使ってルバーブパイを作っていました。ルバーブは野菜のような見かけなのですが、欧州では主にデザートとして使われるんです。
ドイツでルバーブを見かける季節になる度にミネソタのホストママのことを思い出しているのですが、私はパイは作らず、砂糖と少しのレモン汁と白ワインでコンポートを作ります。英国やアメリカ、ヨーロッパの国々で広く愛されており、パイやコンポート以外にも、ドイツではキャンディーやヨーグルト、デザートのフレーバーとしてよく見かけます。
適量を超えると毒とされるシュウ酸が葉に多く含まれるので、葉を食べないように注意すれば調理はとても簡単ですが、その際にルバーブの赤色の皮を剥くか剥かないかに関してはドイツでも意見が分かれるところらしいです。
せっかくの赤色が綺麗で捨ててしまうのはもったいないので「シーズン始めの4月は健康を害するほどのシュウ酸は含まれないので皮は剥かなくてもよい」とするサイトを私は信じることにしたのですが、それでもやはりシュウ酸の影響が気にならないわけではなく・・・。
結局、わたしは皮を剥いたものと剥かないものを半分ずつにして使っています。
ちなみに、ルバーブの食べ納めの日は6月24日とされているのですが、これはヨハネの祝日と言って薬草摘みにとってとても重要な日とされています。これ、何だか偶然とは思えないですね。この日に収穫した薬草は最も効果があると信じられていたそうです。
作ったコンポートは、そのままや冷やして食べたり、ヨーグルトに添えて食べたりします。甘酸っぱくてとても美味しいんですよ〜。
そしてそして!!
もう一つルバーブが身近にあって嬉しい点・・・。
それは、なんと
ルバーブをお塩と少々の醤油で煮詰めると、簡単に練り梅ができてしまうこと!!
そして、私のお気に入りはそれにカツオ節を混ぜたものです。
これ、本当に美味しいです。梅干しが大好きな私にとってたまりません〜。
普段からも、ドイツのアプリコットで地元の名物八助梅干し(わたしの地元ではある種のアンズを「八助梅」と呼び梅干しを作ります)を毎年作っていますが、梅干作りはやはり少し時間がかかってしまいます。
しかし、ルバーブは生かシーズン中に自分がストックしておいた冷凍もので、あっという間に練り梅ができるので、手巻き寿司などを作る時や梅茶漬けが食べたい時などにも本当に便利です。
ルバーブに心より感謝・・・。
あと、もう一つ面白いと思ったのが、ルバーブ、イタドリつながりでタデ科の植物を詳しく調べてみたら、お刺身のツマによく使われている赤い小さな葉の紅タデも、タデ科の植物ヤナギタデ(Persicaria hydropiper)と呼ばれる野草の子葉でした。
まだ今まで一度も試してみたことはないのですが、日本では昔から鮎の塩焼きはタデの葉をすり潰してリンゴ酢と混ぜた「タデ酢」を合わせて食べるとか。タデ酢には、鮎の淡白な味を引き締める利点だけではなく、ヤナギダテの辛味成分ポリゴジアールの殺菌作用で、食中毒も防ぐ効果が期待できるとのこと。
わたしは海の生き物を食する街に生まれたので、あまり川魚には馴染みがなかったのですが、是非試してみたい!!
ちなみに、ヤナギダテに近い植物はドイツではWasserpfeffer(直訳で水のコショウ)あるいはScharfkraut(辛い草)と呼ばれているようです。この名前、絶対誰かが食べたからついたような名前ですよね!
ウィキペディアには、第二次世界大戦後半にドイツでは胡椒の代わりに使われた、などと書かれていましたが、これに関してはしっかりした参考文献が見つからなかったので、今後もこのことを念頭に置いて知っていそうな人がいたら聞いてみたいと思います!(そのような人をどう見つけるのか自体が難問ですが・・・。)